通信キャリア『au』のユーザーに対し、決済プラットフォームである「au WALLET」(プリペイドカード/クレジットカード)などを核に、金融やEコマース・電気など幅広い領域で新規事業を展開し、au経済圏の拡大に力を入れているKDDI様。取得した膨大な顧客データは、レコメンドデータの作成をはじめとした、ユーザーへのさらなる付加価値の提供に利活用されています。
導入技術
その蓄積先となるデータレイク基盤は、情報漏えいを防ぐ観点から個人情報はオンプレミス環境のみでの利用に限られていた一方、サーバー増設時にかかる莫大なコストなどの課題を抱えていました。加えて、AIやデータマイニング・ビッグデータ解析・ディープラーニング等の新たな分析手法を取り入れる上で、OSSに対応した環境構築が必要とされていた背景もあいまって、本プロジェクトにてAWSへの移行を行いました。cloudpackでは、インフラ構築および運用、システム開発、securitypackの導入などにおけるサポートを実施しています。
同環境は、顧客データを扱うためセキュリティ要件が非常に厳しく、AWSでの実装を実現するために幾度も議論を重ねました。要件をクリアするために、特定の環境のみからデータレイク環境へアクセス可能とし、さらにアクセスするユーザーについても厳格な権限管理を行うことで、悪意あるユーザーが顧客データを持ち出せない構成・運用となりました。また、AWS環境上での操作に関してはAWS CloudTrailでログを取得し、データレイク環境内でのユーザーの操作は常に監視を行うなど、ネットワーク内外で証跡を取得しシステムの透明性を確保しています。さらに、誤って暗号化前のファイルが配置された場合にも、自動で暗号化処理がされるシステムの開発なども行い、人為的なミスに対するセキュリティの考慮も行いました。
さまざまな顧客接点を持つKDDI様において、本プロジェクトはauユーザーのさらなる満足度向上へ向けた重要な施策の第一歩となります。今後も、安定した運用サポートを通じ、さらなる満足度向上に貢献してまいります。
Credit
クライアントKDDI株式会社