お客様の課題
- 着信転送の遠隔開始サービス終了後、一部法人様向けの着信転送遠隔設定を専用窓口で人手で個別対応していたため、代替となる機能を早急に開発・提供する必要があった。
対応と結果
- Amazon Aurora Serverless v2 をはじめとするフルサーバーレスのアーキテクチャで法人向け着信転送システムを構築。将来的な戦略を見据えて PWA を導入するなど、バックエンドから UI までご依頼やご要望を汲み取ったベストプラクティスを実現!
KDDI株式会社様(以下、KDDI様)は遠隔の「フル転送サービス開始」終了に伴い、法人向け着信転送システム「カスタマーコントロールシステム」を開発・提供しています。本システムのインフラ構築をアイレットが担当させていただきました。
柔軟なスケーリングやスピード感を考慮し、サーバーレスのデータベース「Amazon Aurora Serverless v2」を採用
KDDI様は自社が提供する携帯電話番号向け着信転送サービスの一つとして、遠隔での「フル転送サービス開始」を提供されていました。
2022年5月のサービス終了以降も専用窓口を設けて転送設定を受付していましたが、この受付業務にコストや負荷がかかっていたため、代替となる法人向け遠隔着信転送機能を早急に開発・提供する必要がありました。
KDDI様からご相談いただいたアイレットは、要件やご要望をヒアリングした上で、素早い構築や柔軟なスケーリング、高可用性、コスト最適化などの観点からフルサーバーレスでの構築をご提案いたしました。さらに、迅速なスケーリングやデータベース容量の調整がしやすい Amazon Aurora Serverless v2 を採用。v2のみならず、EventBridge や StepFunctions といったプロダクトも含めて事前に検証し、今回のプロジェクトに適切だと判断した上でご提案させていただきました。
KDDI様の将来的なビジネス展開を見据え、PWA 対応などのベストプラクティスを実現!
KDDI様のご要望は主に2つ。法人の au 回線契約をお持ちの企業様が、その au 回線に限定して遠隔で着信転送開始依頼を行なえるようにすること。それから、企業様が利用する転送元番号や転送先番号の情報を登録し、着信転送開始依頼の際に参照できるようにすることです。
企業様によっては複数拠点で運用されるケースや、組織体系に応じて遠隔転送設定ができる転送元の au 電話番号に制限を設けなければならないケースがあります。そこでアイレットは、個別の企業様の画面構成や情報管理に関するご要望やニーズを汲み取りながら、汎用性の高さも両立できるシステムを見極め、KDDI様と認識をすり合わせながら要件定義を固めていきました。最終的には、システム上で2段階の組織・グルーピング設定を行なえるようなマスタ管理を実装することで、個別の企業様のご要望と高い汎用性を両立させることができました。
本プロジェクトでは UI 設計もアジャイル開発事業部が担当しております。PC、スマートフォン、ガラホに対応させるほか、将来的にアプリとしてサービス提供することも見据えて、Web サイトをネイティブアプリとしてインストールするフロントエンド技術「 PWA(Progressive Web Apps)」を導入いたしました。
追加要件などにも柔軟に対応させていただきながらプロジェクトを進め、法人向け着信転送システム「カスタマーコントロールシステム」が無事にリリースされました。リリース後も大きな不具合等が発生することなく、多くの法人企業様にご活用いただいております。
アイレットは今後も多様なニーズに合わせた最適なソリューションが提供できるよう、技術力やサービス品質の向上に手を緩めることなく、真摯に取り組んでまいります。
(使用プロダクト)
- AWS WAF
- Amazon CloudFront
- Amazon API Gateway
- AWS Lambda
- Amazon EventBridge
- AWS Step Functions
- Amazon S3
- Amazon Aurora Serverless V2
- Amazon SES
- Amazon Cognito
Credit
クライアントKDDI株式会社