課題
- コンタクトセンターにおけるエージェントの教育工数削減や証跡管理の効率化に対する世の中のニーズが高まっていた。
対応と結果
- Amazon Transcribe Call Analytics の Git コードを活用し、生成系 AI 活用基盤「Live Call Analytics with Agent Assist」を新規開発した。
アイレット株式会社(以下、アイレット)は、コンタクトセンターにおけるエージェントの業務負荷削減や対応品質のさらなる向上を実現すべく、生成系 AI 活用基盤「Live Call Analytics with Agent Assist」を新規開発いたしました。本プロジェクトの背景にある課題や目的、具体的な開発内容をご紹介します。
コンタクトセンターの負荷削減と品質向上を目指す、AWS の生成系 AI 機能を国内向けに再構築
近年、コンタクトセンターの顧客対応業務では、エージェントの教育コストや証跡管理の負荷増大が課題となっており、AI を活用した効率化とさらなる品質向上に期待がかかっています。
そのような背景がある中で、AWS では生成系 AI によって通話音声からリアルタイムでトランスクリプトを自動生成し、会話のインサイトを抽出する Amazon Transcribe Call Analytics を提供しています。しかし、本機能は国内リージョンや日本語に対応していないため、AWS から Git のソースコードを利用し、アイレットで国内リージョン向け/日本語対応の新規開発に着手いたしました。
AI が通話内容を分析し、通話中/通話後の対応をサポート。エージェントの教育工数を削減し、サービス品質向上にも貢献
今回の開発では Amazon Transcribe Call Analytics のソースコードを元に、使用するマネージドサービスやパラメーターに変更を加えながら国内リージョン向けの構成を再構築しています。生成系 AI 活用基盤の構築には、2023年にリリースされた Amazon Bedrock を活用することで、生成系 AI アプリケーションを迅速に構築・スケールすることが可能となります。
また、ニアリアルタイムの通話文字起こしと同時に、Amazon Comprehend を活用した感情分析、Amazon Bedrock と Amazon Kendra の連携による通話内容の自動要約、業務に合わせたアクションアイテムの自動抽出を実装しました。さらに Amazon Lex を活用し、生成系 AI のエージェントアシストボットを作成。ナレッジベースや FAQ に基づいた質問回答や、会話内容に基づくニアリアルタイムのアドバイス提供を実現しました。これにより、通話中や通話後にエージェントが社内リソースを検索したり、スーパーバイザに確認することなく、スピーディに適切な解決策をお客様に提案できるようになります。
プロジェクト開始から約1ヶ月で、国内リージョン向け/日本語対応の生成系 AI 活用基盤「Live Call Analytics with Agent Assist」の構築が完了。現在はパートナー企業様のコンタクトセンターにて検証・改善を進めています。たとえば、学習データベースを構築する際に URL を指定するだけで生成系 AI がナレッジデータを自動構築する仕組みなど、さらなる機能拡充に向けて取り組んでいます。
今後もアイレットでは AWS と生成系 AI の知見・開発力を組み合わせ、新たなサービス開発を通じてお客様のビジネス成長に貢献してまいります。
(使用プロダクト)
- Amazon Connect
- AWS Lambda
- Amazon Lex
- Amazon Kendra
- Amazon Bedrock
- Amazon Kinesis Data Streams
- Amazon Comprehend
- Amazon SNS
- QnABot Designer
- Customer WebsiteFAQ
- AWS AppSync
- Amazon DynamoDB
- Amazon CloudFront
- AmazonS3
- Amazon Cognito
- AWS CloudFormation
Credit
クライアントアイレット株式会社