課題
- 工場における機器や設備、作業データの収集や活用が十分にできていない。
- 産業用ロボットの稼働状況を見える化したい。
対応と結果
- AWS IoT SiteWise、Amazon Managed Grafana などのマネージドサービスを活用し、産業用ロボットアームの生産稼働データの収集・可視化、ライブ映像配信を実現。
アイレット株式会社(以下、アイレット)は、AWS マネージドサービスを活用した産業用ロボットアームの工場 IoT システムのデモ環境を開発いたしました。本プロジェクトの背景にある課題や目的、具体的な開発内容をご紹介します。
ロボットの稼働データ可視化でスマートファクトリーの導入をサポート。デモ環境のインフラ構築・開発で工場 DX に挑戦
近年、工場の機器や設備、作業データなどを収集・分析・活用することで業務プロセスの改善や品質・生産性の向上を目指すスマートファクトリーに注目が集まっています。
そこでアイレットでは、ミニチュア工場を利用した工場 IoT のデモ環境を構築・開発いたしました。
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本デモ環境を外部イベントにて展示したところ、来場者から多くの反響をいただき、生産現場におけるクラウド活用や工場 IoT へのニーズが高まっていることを改めて実感いたしました。また、実用化に向けてプロジェクトを進めているお客様から様々なご要望をいただいたことから、AWS Summit Japan 2024 の出展ブースにて、産業用ロボットアームの稼働状況を可視化し、スマートファクトリーの導入をサポートするデモ環境の展示を実施しました。アイレットは、デモ環境のインフラ構築、アプリケーション開発を行なっています。
今回の展示では、実際に三菱電機株式会社様が開発・提供している産業用ロボットアームを使用しており、アイレット社員が法令で定められた教習を受けた上で購入し、工場 IoT システムを開発しています。
ロボットアームの稼働をライブ動画でモニタリング。異常発生時には、前後の映像を自動生成する機能も開発
ロボットアームの稼働データは、制御装置の PLC や IoT プラットフォームの Edgecross を活用した上で、産業用プロトコルの国際標準規格である OPC UA で接続することにより、迅速なデータ収集を実現しました。可視化のためのデータ加工や Amazon S3 へのデータ蓄積には AWS IoT SiteWise を利用しています。
また、ロボットアームの映像をリアルタイム配信するために、Amazon Kinesis Video Streams と RTSP(Real Time Streaming Protocol)対応カメラを用いたビデオストリーミングを実施しています。ロボットアームの画像をネットワークカメラで撮影し、撮影データを RTSP でエッジコンピュータに送信。エッジコンピュータに配備した AWS IoT Greengrass のパブリックコンポーネントを使って Amazon Kinesis Video Streams にストリーミングすることで、Amazon Managed Grafana のダッシュボード上でライブ映像を配信することが可能になります。
また、異常発生時の早期対策を目的として、ロボットの状態変更(稼働/停止/エラー)時に自動でビデオクリップを生成する機能も構築。ロボットの状態変更をトリガーに、Amazon Kinesis Video Streams のビデオストリームから対象イベントの前後1分間のビデオクリップを Amazon S3に保存し、ダッシュボード画面のリンク押下でオンデマンド配信することで、イベント時の挙動をすぐに確認できるようにしています。
今回のデモ環境にとどまらず、アイレットではお客様の工場の IoT 化やスマートファクトリー化へのご要望に対して、クラウドを活用した最適なソリューションをご提供可能です。スマートファクトリー導入におけるクラウド活用や工場 IoT に興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。
(使用プロダクト)
- ・AWS
- AWS IoT SiteWise
- AWS IoT Greengrass
- AWS IoT TwinMaker
- Amazon Kinesis Video Streams
- Amazon Managed Grafana
- Amazon QuickSight
- Amazon Athena
- AWS Lambda
- Amazon S3
- ・Edgecross
Credit
クライアントアイレット株式会社