生成 AI の導入でお問い合わせ対応業務を3割削減！Amazon Bedrockを活用した業務サポートチャットボット開発

お客様の課題

社内の就業規則などに関する従業員から問い合わせが来た際に、都度資料を見返し回答していたため、業務負荷がかかっていた。
EC サイトの構築案件において、お客様からの EC プラットフォームに関する問い合わせに対して、迅速な返答を目指したかった。

対応と結果

Amazon Bedrock を活用し、チャットツール上で活用できる業務サポートチャットボットを開発・実装。お問い合わせ対応にかかっていた業務工数を3割削減した。

株式会社36flip 様は、生成 AI を活用した業務サポートチャットボットを導入し、お問い合わせ業務の効率化を実現しています。本開発をアイレットが担当いたしました。

問い合わせ対応での資料確認が業務負担に。生成 AI を活用し業務効率化を目指す

株式会社36flip 様（以下、36flip 様）は、IT 業界に特化した PM のプロフェッショナル集団として、システム開発において専門人材が不足しているマネジメント層のサポートやプロジェクト全体の統括を通じて、お客様の課題解決に取り組んでいる企業です。SES（システムエンジニアリングサービス）や EC ショップ企画構築、IT コンサルティングなどの事業を幅広く展開しています。

同社は社内の就業規則に関する膨大なドキュメントを整備していますが、従業員から問い合わせが来た際に担当者がその都度資料を見返しながら回答をしていたため、問い合わせ対応に時間を取られていました。

また、EC 業界のお客様担当者から EC プラットフォームの使い方に関する質問をいただくことが多く、正しい情報を回答するためにプラットフォーム側のヘルプページを確認する必要がありました。そのため、回答までに時間がかかっており、顧客満足度向上と業務負荷削減のために効率化を図りたいと考えていました。

こうした課題を解決すべく、同社は生成 AI を活用したチャットボットの開発・導入をアイレットにご依頼いただきました。

Amazon Bedrock を活用し、就業規則データの学習と Web クローリングによる高精度の回答を実現。会話履歴のダッシュボード化で作業効率が大幅に向上

今回はお客様の業務ツールの一つである、チャットツール上で活用できる業務サポート用のチャットボットを実装することを目指しました。

生成 AIの構築は AWS マネージドサービスの Amazon Bedrock を利用し、就業規則に関するデータは Amazon S3 に保管します。さらに、EC プラットフォームのヘルプページを Web クローリングし、それらの情報を Knowledge Bases for Amazon Bedrock に同期することで回答の元となる参照データを作成します。チャットボットの利用ユーザーが入力した内容をもとに RAG（Retrieved Augmented Generation）アプリが Knowledge Base の情報を検索することで、質問内容に沿った自然で精度の高い回答を生成することが可能となります。

回答時は根拠となるデータソースへのリンクも提示するように設定することで、回答の妥当性を判断することが可能です。また、RAG を設定することで、質問に答えられない場合はその旨を回答し、無理やり回答を作り出さないようにコントロールしています。

さらに、ユーザーとチャットボットの会話履歴を Amazon RDS に保存し、参照可能なダッシュボードを作成。ダッシュボードの履歴からもチャットボットの回答に誤答や不足がないかを確認できるため、必要に応じて追加サポートを実施できます。

なお、参照元となる EC プラットフォームのヘルプページには、各国の Q&A が混在しているため、日本版には対応していない回答も生成 AI がクローリングして学習してしまうケースがあります。それに起因する誤答を減らすためにプロンプトのチューニングを細かく行なうことで、徐々に精度を高めるようにしています。

チャットボットを導入したことで、36flip 様は従業員やお客様からのお問い合わせに対して迅速な回答ができるようになり、お問い合わせ対応や折り返しの対応などの工数を大幅に削減。導入前と比べて3割程度の工数削減につながっています。

生成 AI チャットボットはチャットツールに限らず、さまざまなコミュニケーションツールやアプリ、Web サイトへの実装が可能です。生成 AI を活用した業務 DX 推進にご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。