フルサーバーレス開発でコスト最適化！資産配分シミュレーションツールのインフラ構築・開発・デザイン

お客様の課題

確定拠出年金のニーズが拡大する中、競争優位性の獲得に向けて資産配分シミュレーションツールの新規開発を進める必要があった。

対応と結果

アイレットがインフラ構築、アプリケーション開発、デザインまでを対応。サーバーレス開発や CI/CD 導入など DevOps の手法を取り入れ、コスト効率の高い開発・運用を実現。

三菱アセット・ブレインズ株式会社様（以下、三菱アセット・ブレインズ様）は、東京海上日動火災保険株式会社様（以下、東京海上日動火災保険様）の Web サイトにて、資産配分シミュレーションツール「なっとく運用サポート」を提供しています。本サービスのインフラ構築、アプリケーション開発、デザインをアイレットが支援させていただきました。

確定拠出年金のニーズ拡大に合わせ、お客様の加入や商品選択をサポートするアプリケーション開発に着手

三菱アセット・ブレインズ様は投資家と金融事業者の情報格差の解消に資するサービスの提供を通じて、「投資信託市場の健全な発展」と「国民の豊かな資産形成」に貢献することをミッションに掲げ、運用会社、投資信託の販売会社、確定拠出年金の運営管理機関、および事業主、投資家など、幅広いニーズに合わせたサービスを提供しています。

近年、確定年金拠出制度のニーズ拡大に加え、2024年12月の改正 DC 法施行に向けて、確定拠出年金の運営管理機関においては商品選定・モニタリングを強化する必要性が高まっています。そこで同社は創業以来培ってきた投信評価の知見・ノウハウを活用し、運営管理機関と事業主を強力にサポートするサービス提供に注力しています。

確定拠出年金で老後の資産を形成するためには、投資信託を含めた分散投資を行なうことが重要です。しかし、現状は元本確保のみで運用している加入者も多く、投資教育や冊子等で分散投資の重要性や仕組みをご説明しても、「結局どの商品を選んだら良いか分からない」という意見が寄せられることもありました。

こうした背景を踏まえて同社は、東京海上日動火災保険様が提供する確定拠出年金に加入中または加入を検討されているお客様を対象とした、商品選択支援サービスの開発に着手。同サービスのインフラ構築、アプリケーション開発、デザインをアイレットにご依頼いただきました。

フルサーバーレス開発でコスト効率を高めるとともに、CI/CD 構築など DevOps 手法の導入で開発スピードの向上を実現！

本プロジェクトは金融関連サービスならではの高い品質やセキュリティ要件を考慮することはもちろん、コスト効率にも配慮することがポイントでした。そこで今回はフロントエンドを Amazon S3、バックエンドを AWS Lambda で展開することを中心としたサーバーレスアーキテクチャを採用することで、コストパフォーマンスの高い運用を目指しました。

さらに、資産配分シミュレーションのマスターデータとなる CSV ファイルを S3 にアップロードすると、トリガーが発生して自動的に Amazon RDS Proxy を経由して Amazon Aurora Serverless v2に構築されたデータベースへ取り込みを行ない、エラーが起きた場合は Amazon EventBridge を通じて Slack や Backlog に通知される仕組みを構築。これにより、お客様は S3 にファイルをアップロードするだけで自動的に処理が行われ、エラー発生時も通知が届くので、運用面の効率化が期待できます。

デザインはレスポンシブ対応に合わせて見やすさや操作のしやすさを追求するとともに、CSS フレームワークの Tailwind CSS を活用することで必要以上にコードを作成する手間を省き、開発スピードの向上を実現しました。

また、フロントエンドおよびバックエンドに CI/CD（継続的インテグレーション/継続的デリバリー）を導入することで、コード変更を実行した際のテストやデリバリー、デプロイが自動化されるため、こちらも開発スピードの向上に貢献しています。

2024年3月、東京海上日動火災保険様の Web サイトにて、資産配分シミュレーションツール「なっとく運用サポート」が公開されました。本サービスはお客様の運用商品の選択をサポートするツールで、5つの質問にお答えいただくと、お客様一人ひとりに合わせた資産配分例や運用シミュレ—ション結果が表示され、お客様はそれらの結果を参考にしながら運用商品を検討することができます。