課題
- 採用応募者からの問い合わせに電話やメールで対応しているため工数がかかっていた。
対応と結果
- Google Cloud の生成 AI サービスを活用し、新卒採用ページにチャットボットを構築。
アイレット株式会社は、新卒採用ページにて採用に関するお問い合わせに24時間対応可能な生成 AI チャットボットを導入しました。本プロジェクトの背景にあった課題や開発内容の詳細を紹介します。
新卒採用に関するお問い合わせ対応業務の効率化とユーザー利便性向上を目指し、24時間対応可能な生成 AI チャットボット開発を計画
アイレット株式会社(以下、アイレット)は、公式 Web サイトに新卒採用ページを設けて採用に関する各種情報を発信するとともに、応募を検討されている方からのお問い合わせに電話・メールで対応しています。しかし、数多くのお問い合わせをいただく中で対応に時間がかかってしまうことや、対応業務の工数増加が課題となっていました。
そこで、アイレットの DX 開発事業部は Google Cloud の生成 AI サービスを活用し、新卒採用ページへの生成 AI チャットボット導入を提案・実施しました。なお、このプロジェクトはグーグル・クラウド・ジャパン合同会社様(以下、Google Cloud 様)の協力のもと、Google Cloud の生成 AI プロダクトを活用したアプリケーション開発力や DX 人材を強化するための特別プログラム「GenAI Hero Program」から生まれた取り組みとなります。
質問と回答の組み合わせデータを作成することで精度向上を実現。ハルシネーション対策にも取り組み、開発期間2ヶ月で実用化へ
今回は自然言語理解プラットフォームの Dialogflow CX を活用し、ローコード開発でスピーディに生成 AI チャットボットを構築することを目指しました。
回答を生成する際の参照ソースは、Vertex AI Agent Builder のデータストアに格納。アイレットの Web サイトに記載されている情報だけでなく、頻出することが想定される質問と回答の組み合わせを網羅したデータなどを Cloud Storage に格納することで回答精度を高めています。
また、質問内容に応じた処理の分岐を設定することで、たとえばイベントに関する質問が入力された場合はイベントページに誘導する回答を生成するなど、質問に対して適切な回答を生成する仕組みを構築しました。
さらに、質問の回答にふさわしい情報が見当たらない場合は「回答が見つかりません」という回答を生成するように設定することで、ハルシネーションによる誤情報の生成を防止しています。禁止ワードの設定や「〜かもしれない」といった曖昧な表現を避ける設定するなど、サービス品質の向上にも努めています。
なお、ユーザーと生成 AI チャットボットの会話履歴は BigQuery にエクスポートし、データ分析基盤を構築することで、今後の採用活動や採用サイト改善に役立てることが可能となっています。
本プロジェクトはインフラ構築からバックエンド開発、UI/UX 設計を含むフロントエンド開発まで一気通貫で実施。テスト環境で新卒採用担当者からのフィードバックを得ながら精度を高めていき、プロジェクト開始から2ヶ月で導入を実現しました。
また、今回の取り組みを Google Cloud 様が開催するパートナー企業との1年の総決算イベント「Google Cloud Partner Forum 2024 Osaka」のプレゼンコンテストにて発表し、最優秀賞を受賞しました。
今後もさらなるユーザーの皆さまの利便性向上と新卒採用業務の効率化に貢献すべく、生成 AI チャットボットの精度向上に向けて改善に取り組んでまいります。
生成 AI 活用に関するお悩みは、生成 AI を活用したお客様の課題解決や価値創造に知見・ノウハウを持つアイレットまで、ぜひお気軽にお問い合わせください。
(使用プロダクト)
- ・Dialogflow CX
- ・Vertex AI Agent Builder
- ・BigQuery
- ・Cloud Storage
Credit
クライアントアイレット株式会社