お客様の課題
- 過去の帳票や設計データの検索に時間がかかっていた。
- 手書き帳票が多く、ナレッジの共有や活用が困難だった。
対応と結果
- AWS や生成 AI を活用した検索システムを開発し、帳票検索の効率化と手書き帳票のナレッジ化を推進。
株式会社IHI機械システム様は、生成 AI を活用した帳票検索システムの開発・導入を進めています。本プロジェクトをアイレットが支援させていただきました。
情報はあるのに活用できない… 帳票検索の効率化とナレッジ共有に向けて生成 AI 活用を提案
株式会社IHI機械システム様(以下、IHI機械システム様)は、IHI グループの一員として、真空熱処理炉や新素材製造設備、真空浸炭装置などの設計・製造・販売およびメンテナンスを手掛ける企業です。これらの製品は機械部品の品質向上に貢献し、同社はこの分野で国内トップクラスのシェアを誇ります。また、環境負荷の低減にも注力しており、持続可能な製造技術の発展に貢献しています。
IHI機械システム様では、部門ごとに管理されている帳票や報告書など設計に関するデータ作成が属人化されているため、過去の事例を調査する際、検索に多くの時間を費やしてしまう状況が発生していました。さらに、手書きや異なるフォーマットで保存されている帳票のデータ活用が難しいことから、ナレッジ共有を効率化することが課題となっていました。
そこで、帳票データの検索機能の強化とデジタル化を図ることが急務とされ、アイレットにご依頼いただきました。「検索機能を強化して、必要な情報にすぐにアクセスできるようにしたい」というご要望をいただいたアイレットは、生成 AI を活用した帳票データの検索精度の向上とナレッジ共有の効率化をご提案。AWS を活用した検索システムの開発を PoC で段階的に進めることになりました。
現場のニーズを反映し、段階的な技術検証(PoC)で業務適合性を追求。Amazon Bedrock と GenU を活用した検索システムを構築
プロジェクト開始にあたり、まずは実際に現場で活用するイメージをていねいにヒアリングし、ユースケースを想定したテスト手法を検討。複数のステップに分けて要素技術を検証し、システムの業務適合性を測る進め方をご提案しました。
検索システムの構築には AWS の Amazon Kendra を採用しています。最初のステップでは Amazon Kendra のみで検索精度をまず検証し、次に検索結果をもとに Amazon Bedrock を利用して AI が回答を生成するミニアプリを開発することで RAG の有用性を検証。それらの成果をもとに最終的に Generative AI Use Cases JP(GenU)を活用・カスタマイズし、RAG を用いた高度なナレッジ検索と帳票が格納された Box との自動連携が実装された生成 AI ユースケースサイトを構築することで、過去の問い合わせや設計不具合などの履歴を瞬時に検索できるようにすることを目指しました。
また手書きの帳票については、Amazon Bedrock を用いて手書き文字をデジタル化し、検索可能なデータとして統合。精度の向上に向けたトレーニングを実施し、読み取りミスを抑える工夫を行ないました。また、さらなる検索結果の精度向上のため、資料のフォルダごとにタグを付与することで、必要な情報を迅速に取得できる環境を整備。設計図面や不具合報告書など、過去の履歴を即座に検索できる仕組みも導入しています。さらに、ノーコードでユースケースを追加できる「ユースケースビルダー機能」を、RAG 機能搭載型にカスタマイズすることで、現場担当者自身でも RAGを 組み込んだアプリケーションを作成できるような作りとなっています。
現在は UI 改善と社内チャットボットとしての活用を検証しています。さらに今後、帳票作成のシステム化や AI を活用した報告作業の効率化を進めていく予定です。



アイレットでは、最新のテクノロジーを活用し、お客様の課題解決につながる最適なソリューションを提供しています。クラウド導入や AI 活用にご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

(使用プロダクト)
- ・Amazon Bedrock
- ・AWS WAF
- ・Amazon CloudFront
- ・Amazon S3
- ・Amazon Cognito
- ・Amazon API Gateway
- ・AWS Lambda
- ・Amazon Kendra
- ・AWS CloudFormation
- ・Amazon DynamoDB
- ・GitHub Actions
Credit
クライアント株式会社IHI機械システム